最高裁判所第一小法廷 平成9年(あ)1329号 決定 1999年4月08日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人竹下義樹の上告趣意のうち、京都市風紀取締条例三条の規定について憲法三一条違反をいう点は、同条例三条の構成要件が所論のように不明確であるとはいえず、また、同規定が罪刑の均衡を欠くということもできないから、前提を欠き、同規定について憲法一四条違反をいう点は、同条例三条は男性のみを処罰の対象とするものではないから、前提を欠き、その余は、違憲をいう点を含め、実質は単なる法令違反、量刑不当の主張であって、刑訴法四〇五条の上告理由に当たらない。
なお、同条例三条は、罰則を五〇〇〇円以下の罰金又は拘留と定めているところ、そのうち、罰金を定めた部分については、平成三年法律第三一号による改正後の刑法一五条、右法律第三一号附則二項前段により、同法施行の日から一年を経過した時点で効力を失うに至ったが、拘留を定めた部分は、なお罰則としての効力を有しているものと解すべきであるから、これと同旨の原判決の判断は、正当である。
よって、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 大出峻郎 裁判官 小野幹雄 裁判官 遠藤光男 裁判官 井嶋一友 裁判官 藤井正雄)